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国防と科学技術の進歩(源田実・談/1981年)

第三四三海軍航空隊幹部、中央が源田実大佐(司令)

人類の6000年の歴史を見て、その中で侵略者が最終的に勝利をおさめた例は、ただの一度もない。例外がないんです。言葉をかえて言えば「異民族を武力で征服することは不可能である」ということです。

チンギス・ハーンがアジアからヨーロッパに至る、世界でいまだかつてない大帝国をつくり上げた。アレキサンダーは、ヨーロッパからインドまでの大帝国をつくった。今何が残っているのか。

現在、アフガニスタンがソ連に制圧されている。しかし、アフガニスタンのあの民族、必ず独立します。私ははっきりこの首を賭けて言えます。要するに、武力による異民族の制圧というのは、全くの無駄であり、罪悪であると。

過去の日本はどうでしょう。神功皇后様以来、何度韓国を制圧したかーー。今、だれが韓国を統治しているか。日本人か。日本の制圧に対する恨みは、韓国人の心の底に深く根を下ろしています。いまだに豊臣秀吉は恨まれているんです。

我々が韓国に行きますと、調子がいいです。政治家同士、高級官僚なんていうのは、みんな適当に飲んで「日韓親善」と……、「共に手を携えて、共産主義に対抗しようじゃないか」と。上の方は「そうだ、そうだ」と、こうなんです。向こうの兵隊に聞いてごらんなさい、どう言うか。

「まっぴらだ。我々だけでやる。日本とは手を携えない。我々は日本の支配下にあった40年を忘れることは出来ないんだ」
と言うんですよ。

今の韓国の兵隊は戦後派です。従って自分らの親から教えられることなんです。彼らはまたその子どもに教える。ずうっと続いてくるんです。恐ろしいことを後に残すんです、異民族の侵略ということは。


我々は今後、防衛の問題、非常に重大な問題でありますが、異民族の武力制圧は絶対にやってはいけない。今の専守防衛というのは、あれは何のことか訳が分からないんですが、私が今言うことは、侵略に対しては受けて立て。必ず受けて立つ、これを鉄則にしなければならない。これが十分分かっているならば、あんまり心配はいらないんです、世界中。ところが分からないのがいるから、困っておるんです。一番分からないのがソ連です。

我々が想像する以上に不信感を持っている。無理もないんです。ソ連はその昔、紀元前700年、スキタイに抑えられた。支配された期間が約200年、非常に残虐なやり方で制圧された。それを結局200年後には追い出した。その後が、アッチラ、そしてチンギス・ハーン。それからチムールがやった。しかし、最終的には全部、侵略者が負けた。ヨーロッパからドイツが2回、フランスが1回、スウェーデンが1回、ポーランドが1回制圧した。今、だれが制圧しているか。全部負けて出ている。

しかし、その制圧された恨みが、数千年にわたって、あのロシア人の頭の中に残っているんです。ロシア人というのは、絶対に他民族を信用しない民族です。

1964年の東京オリンピック開会式のためのブルーインパルス試験飛行(ANNニュース動画)

日本に直接関係あるのは、北方領土。日本はまあ人がいいものだから、大きな声で「返せ、返せ」と言ったり、返せとは言い切らないで、「還れ」とかいうのがある。ひとりで還るわけがないですよ。ソ連の歴史を見て、彼らは武力で取られる以外に、自発的に領土を返した例は一度もない。こっちからいくら言っても、「あれはもう解決済み」と言うんです。武力以外に取り返す手は、たぶんまずないでしょう。ただ、何かソ連が窮境に陥るというような事件が起こらなきゃ、たぶん返さない。

北方領土はどういうことかというと、ウラジオストック、ここに海軍の何百万トンの兵力を持っても、日本が宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡を抑えたら、どうにも出る道はないんです。出られなければ、持っている海軍は全然役に立たない。出るためには最小限、宗谷海峡、津軽海峡は抑えなきゃならない。北海道を一つ抑えれば、両方使えるんですよ。これが北方領土にソ連があの強力なる軍事基地を設けた唯一の目的なんです。北海道に兵を進めるつもりなんです。北海道そのものよりは、海峡を手に入れることなんです。

1964年東京オリンピック開会式でのブルーインパルス

そこで非常に重要なのは、まさかの場合、戦争になっても、核戦争にならない方策を考えなきゃならない。一番いいのは、戦争を起こさせないことなんです。戦争を起こさせないために、一番いい手は、こっちから手を出しちゃいけない。向こうから来たやつは必ずやっつける。受けて立て。

これは去年、将棋の名人の大山さん、囲碁の名人の坂田さん、それと私の3人で鼎談したことがあります。その時、大山さんが、
「守りは攻めである。まず受けろ。そして自分が不敗の陣を布け。相手があせって攻めてくるから、必ずすきが出る。そのすきを絶対に逃しちゃいけない」
と。孫子がやっぱり同じことを言っているんです。
「勝つべからざるは己にあり、勝つべきは敵にある」
と。攻めて行かないで、向こうが来た場合にやるんなら恨みは残らない。来なきゃいいんですから。

相手のすきに乗じて勝ったとする。相手が退却する。勝っても、国境で止まれ、そこから先に入っちゃいけない。入って、この民族は滅ぼされるとなると、核を使うんですよ。必ず使う。核を使ったらとにかく、みんな参るんですから。どうしたら使わせないように出来るか、これが現代の世代に与えられた最大の問題であると思います。それと、戦争を起こさせない方法は、科学技術的に相手をはるかにリードすることです。

日本は、差し当たり兵力は最少限度にとどめておいて、古い兵器は役に立たないから、常に最新鋭で武装する。数は多くなくてよろしい。そのかわり科学技術のレベルは、相手より10年くらいリードする。こうなれば手が出ないんです。

■源田実

1904(明治37)年広島県生まれ。海軍兵学校、海軍大学校卒。1941(昭和16)年4月第一航空艦隊参謀として真珠湾攻撃の作戦計画に参加。戦後54(昭和29)年航空自衛隊に入り、航空幕僚監部装備部長、航空総隊司令を経て航空幕僚長を務める。60(昭和35)年ブルーインパルス創設。62(昭和37)年4月退官し、7月の参議院議員選挙に全国区から立候補当選、以来43年再選、49年三選、55年四選。当時、自民党国防部会長。著書に『海軍航空隊始末記』がある。

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